NetInfoはNIS+(Network Information System+)(章を 参照)と同様に階層構造で情報を管理する事ができます。マシンで は最初に自分のローカルのNetInfoを参照して、さらに上位のマシ ンがあればそのマシンのNetInfoをネットワークを通じて参照しま す。通常の二階層構造のNetInfoでは、サーバーはローカルな情報 とは別にネットワークで共有する情報を書いておき、ネットワー クに提供します。またクライアントではローカルの情報のみを書い ておき、ネットワークから情報を取るように設定します。
例えば図ではマシンearthはローカルの情報もあ り、ネットワークにも情報を提供しております。
二階層構造のNetInfoはNISと同様に思われるかも知れませんが、管 理している情報がきめ細かいので、あらたにクライアントを追加す るときには非常に便利になっております。NISより増えている管理 項目で重要なのは /etc/printcap, /etc/fstab, /etc/ntpd.confな どです。したがって、NetInfoが動いているNEXTSTEP群ではクライ アントを追加した時にはクライアントの名前を決めて /etc/hostconfigを作製し、サーバーの /etc/hostsに登録するだけ でほとんどの設定が終了します。
NetInfoの情報は /etc/netinfo/local.nidbにバイナリの形式で保管 されており、さらにネットワークの情報がある時には、 /etc/netinfo/network.nidbがあります。さらに階層構造が増えて いる時にはそれにともなって .nidbが増えます。通常三階層構造 で十分大規模のネットワークもまかなえます。
保管されている情報は nidumpコマンドを用いて今までのBSD系の UNIXで使われてきたファイル構造と同じようにして取り出す事がで きます。たとえばパスワードファイルは通常は /etc/passwdにあり ますが、これと同じ情報がNetInfoにも記録されており次のように して取り出すことができます。
ここで、 nidumpコマンドの最後にある``.''はローカルの情 報を指し示しております。ネットワークの情報は ``/''により参照 します。途中に更に階層構造がある時には ``/10''のようにして指 定します。注意しなければならないのは、NEXTSTEPでも /etc/passwdのようにファイルがありますが、このファイルを変 更してもNetInfoの情報は変更されません。変更を及ぼさせる時に は、 niloadコマンドを用いてNetInfoの情報の更新をする必 要があります。
NetInfoを設定するのには、次のような方法があります。
万が一、NetInfoの管理情報の設定の仕方を間違えて、ブートしな くなってしまった時には、 /usr/template/client/etc に /etcの初期のファイルがすべておいてありますので、シングルユー ザーで立ち上げて、そこからコピーして復帰します。