ある手順を覚えるには、単純な記憶では駄目で、理解が重要である。 ( ブラックボックスを減らす) 実験手順を覚えるのには、簡単に述べれば、途中にあるブラックボッ クスを減らし、理解することである。
たとえば、ある学生さんは先輩ににガスボンベからのガスの導入の 方法を教えてもらった。ご存知だろうが、ガスボンベのねじは通常 とは逆で左ねじを使っている。また圧力調整装置は右にねじこんで いくとガスが出てくるし、逆に左にねじをはずしていくとガスは止 まる。これは普通の水道とは逆に作られている。学生さんはこの圧 力調整装置の理屈を理解しないまま、つまりブラックボックスとし てそのままおいておいてしまった。後日、学生さんはガスを止める つもりで右にいっぱいねじっておいてから元栓を開いた。ガスは最 大圧力で出て来た。
学生さんは先輩にそのことを聞くべきであったし、先輩は学生さん に圧力調整装置の構造について説明すれば問題は無かったはずであ る。このように事故に直結する所では特にブラックボックスは無く して、理解につとめることが重要である。
このように具体的なことについては説明をしてもらうようにすると、 だんだんノウハウに近い所まで説明をしてもらえるようになる。ま た気がつくようになる。そうすると実験の伝授も楽になる。