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電源の入れ方

電源なんてただ単にスイッチをひねるだけじゃないか、そう思う かもしれない。しかしそういうものではない。ちゃんといくつか守 らないといけないことがある。きちんと習ってきているはずだが、 おろそかにしてしまっていることが多い。もう一回ここでは復習す ることにする。

測定機器の電源は入れる前に、入力に過大な信号がかかっていない ( 測定装置の電源の入れ方) か、調べる必要がある。もしも、入力にどんな信号が流れているか わからないのであれば、配線を切るべきである。アナログの機器の ときにはレンジを大きめにして電源を入れるのが普通であるが、デ ジタル機器の場合にはメモリーに入っているからそうはいかない。 したがって、デジタル機器の場合には電源を切るときにレンジを大 きめにしてあるいはオートレンジにして電源を切るべきである。た しかに保護回路が発達しているので、大きな信号が入っても大丈夫 になっているが、礼儀としてレンジを大きめにして電源を切ってお くべきである。

信号を発生するもの、たとえば ( 発振器の電源の入れ方) 発信器、電源などは、どうであろうか。そう、信号が出ない状態で 電源を入れるべきである。直流電源でいきなり、大きな電流が回路 に流れるようなことがあると、実験機器が壊れてしまうかもしれな い。したがって、つまみがあって出力が調整できるものであれば、 最小にして電源を入れるようにする。アンプは最小のレンジにして おく。では、電源を落す時にはどのようにすべきであろうか。賢明 な読者はもうわかりのように、電源を落とすときには信号を最小に して切るべきである。でないと次に電源を入れる人は、危険な賭を しなければならなくなる。特にディジタル式の機器では電源を入れ る時にどんな信号が出て来るかわからないこともある。

ある学生さんは直流電源の電源を入れたときに、かなりの電流がヒー ( ある失敗例)ターに流れていることに気がつかなかった。 しばらくたってきな臭いにおいが実験室に立ちこめてからようやく 間違いに気がついた。こういったことは電源を入れるときにちょっ と注意し、電源を切るときにちょっと注意すれば済む程度のことで ある。ぜひ気をつけてもらいたい。



otabe@cse.kyutech.ac.jp
Wed Nov 22 11:40:00 JST 1995