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マニュアルの読み方

さて、マニュアルの読み方であるが、ちゃんとこつがある。マニュ ( 「目次」を丹念に読む) アルの「目次」によく目を通すべきである。ある学生さんがマニュ アルを読むところをそばで見ていると、ろくろく目次を読まないで 本文のそれも使用法のところにすぐいってしまう。なぜ目次を読ま ないといけないか。目次にはマニュアルを書いた人の考え方が短く 反映しているから、よく読むべきである。それによって測定装置の 基本的な考え方や姿勢がわかる。これが掴めると複雑な内容も分か りやすくなる。地図を眺める時にいきなり小さい所から見てもわか らないが、全体をまず眺めるとその位置とか地形が読める。

「概要」とか「特徴」とかを読むと、その測定装置がどういう風に 工夫されて製作されてきたかということがわかる。ここで、専門用 語とかキーワードが並びはじめる。この段階でもしわからない言葉 が多すぎるようであれば、その装置を使いこなすのは難しいと思わ れるので、装置についてのもっと一般的な勉強をすべきである。原 理が複雑な装置であれば計測の教科書にあたるべきである。逆にほ とんど分かるのであれば、後は操作方法をマスターするくらいで済 む。

「定格」の表はその装置の限界性能を示すものなので、頭の中に入れて おく。

「使用上の注意」はかなりの落し穴があるので、文字通り注意が必 要である。ふだん慣れている測定装置が新しくなったから、以前と 同じと思っていると使用上の注意にひっかかってうまく行かなかっ たということがある。もちろん、温度は湿度はとかいうごく当り前 のことも守らなければならない。

さて「使用法」に移ろう。ここでは絶対に必要と思われる操作は実 際にやってみることが必要である。そのためにはまずマニュアル全 体にちゃんと目を通す。そして使用法の順番にしたがって実際に操 作してみる。装置はたいていは複数の使用法があり、複雑になって いるが、普段使わないものまで操作をするかどうかは時間の関係で 省くことができる。ただし、どのような機能があるかは、把握して おく必要がある。今は必要無くても、将来は必要となることもある。 実際、実験でトラブルに見舞われた時には、普段使っていない機能 を生かして回避することが非常に多い。従って、装置の機能につい ては十分熟知する必要がある。

「索引」は使える場合と使えない場合があり、経験的には日本のマ ( 「索引」はあてにならない) ニュアルはあまりしっかりしていないことが多い。英語で書かれた マニュアルには非常によくできた「索引」がある場合があり、それ こそかゆいところに手が届くような思いがする。もしあの機能が使 えるのが分かるのだが詳しいことが知りたいということで、「索引」 を引きはじめるのであれば、それはあまり役に立たないであろう。 たいていの場合こみいった機能について知りたいからである。では どうするかというと、「目次」を使うべきである。その機能の関連 も分かるし、流れに沿っているので理解がしやすい。



otabe@cse.kyutech.ac.jp
Wed Nov 22 11:40:00 JST 1995