5/11--5/12にクリッピング教授はDresden(ドレスデン)で用事があ り、夫人と私も一緒について行きました。ドレスデンはドイツの東 南の隅にありすぐ国境があります。ベルリンからは車で2--3時間と いうところです。かつてザクセン国王アウグスト強力王の時代に栄 華をきわめた街は、1945年2月13--14日の空襲によりほぼ灰燼と化 してしまいました。その後の東ドイツの社会主義のもとほんの一部 がもとの街の形に復興されましたが、大半は安普請のコンクリート のビルか廃墟のままおかれました。このようなつらい戦後があった ので、現在はペースはゆっくりですが昔の形への復興が進められて います。
教授はいろいろと会合があるのですが、夫人と私は一緒に市内見物 をしておりました。ついた日曜日はちょうどお祭りの日で人でも多 くにぎやかでした。ホテルからElbe(エルベ)河までの間を20分くら いの距離歩くのですが、中央駅からの風景は典型的な社会主義下で のビル群で私には興味深かったです。夫人はいろいろと説明してく ださいますが、どうも英語だと表現が過激になる傾向があるように 思います(日本語も似たようなものですか)。もう一度爆弾でこ れらのビル群を壊して昔の形に復興したいのだそうです。それほど ドイツ人にとって趣味の悪いビルが並んでいます。
それに対してエルベ河まで近くなってくると、復興された様子がす ばらしく安心させてくれます。しかしもと灰色だった煉瓦は、東ド イツ時代に大量に使われた安価な石炭のすすで黒く変色し、大した 手当もないままに長いことほっておかれた様子もうかがえます。 Zwinger(ツヴィンガー)宮殿はバロック様式のお庭が大変きれいで した。天気があまりにもよかったので建物の中には入らずに庭の隅 で休憩して夫人とさんざんいろいろなことを話しました。
月曜日にはエルベ河を船で1時間半ほど遡ってPillnitz(ピルニッツ) というところまで行きました。エルベ河は上流というものの水量は かなりあるのですが、色は茶色で生活排水や工業廃水がひどいこと がわかります。例の王様が川縁に建てた離宮があり、このあたりは 空爆をされなかったので昔ながらの佇まいがそのまま残っており非 常によかったです。