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最後に 9/22

今週の木曜日にここを発って南回りなので土曜日の朝に日本に帰国 します。ながらくお邪魔して申し訳ありませんでした。なにかしら の情報になっていれば幸いです。ありがとうございました。

さて、現在はなんといってもアメリカが文化の発信地です。私の研 究している超伝導の分野でもアメリカのアクティブさやそのアイディ アにはいつも驚かされます。しかし19世紀末から20世紀初頭にかけ て科学の中心地はドイツでした。日本からも多くの科学者が渡独し たものです。特に物理学においては核物理学や量子力学といった人々 の考え方すら変えてしまうような画期的な仕事がここベルリンで行 われていました。残念ながら戦争後ドイツは分断されかつての繁栄 はきれいに消えてしまいました。しかし統一後ベルリンは再び首都 として機能を始めています。お伝えしたように数々の文化を背景に ベルリンはヨーロッパでもかなり活気のある街です。

夏はひどく暑くなることはなく、冬も過ごせないことはないような 恵まれた気候、たくさんの人々が行き交うというヨーロッパにおけ る地理的な位置、さまざまな文化芸術に対しての市民の包容力、こ れらはじっくりと落ちついて考えることを基本とする科学において も、今後の拠点になる要素をそろえております。もちろん予算不足 や大量の失業者に代表される負の面もいくらもあります。私には今 後ベルリンがどのようになっていくのかはっきり分かりませんが、 注目し続けるべき都市の一つだということは間違いありません。そ ういった意味でもこの5カ月はまた非常に貴重な体験でした。

最後に九州工業大学の松下先生そしてベルリン自由大学のリューダー ス先生にお礼申し上げます。またお世話になったミヒャエルをはじ めとするグループのメンバーに、そして居候生活を楽しませてくれ たクリッピング先生夫妻とそれを勧めてくれた入江先生にお礼申し 上げます。また何かと苦労をかけてしまったにもかかわらず快く送 り出してくれた日本にいる同僚、松下研のメンバーと私の家族に感 謝して終わりにしたいと思います。



otabe@cse.kyutech.ac.jp
Thu Oct 9 11:24:54 GMT+0900 1997