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アメリカの影響 8/25

ドイツに来たときに意外と遅れていると思うことがありました。た とえばレストランに行っても禁煙席を設けているところはあまりな く、普通入った時に「禁煙席ですか」と聞かれることもありません。 女性の職場進出についても旧東ドイツの時を除くと、日本と同じよ うに男が外で働き女は家で働くというのが長々と続いていたので、 状況は日本とさほど変わらないように思います。

しかしよくよく考えてみるとこれらは私が欧米というようにヨーロッ パとアメリカを一緒ととらえているからです。つまりアメリカでは ここまで来ているのになんでドイツでは進んでいないのだろうと思 うわけです。実際にヨーロッパとアメリカはかなり違う考え方をし ます。

特に若者の文化に与えるアメリカの影響は日本と同じでかなり強く、 抗しがたいものがあります。しかし基本的には独自の考え方や文化 を持つヨーロッパはアメリカの影響を好みません。フランスなどは 法律を持ってしてそれを排除しようとしています。なんかライバル 意識があるようです。アメリカはもともとヨーロッパから離れて新 大陸に行き、苦労すること数世紀、今では世界をリードする巨大国 家になっています。そういうアメリカに羨望にも似た意識が働くの はあたりまえです。

日本ではよく欧米ではこんなに進んでいるのに日本はまだ何もでき ていないだから日本は悪い、といった議論がよく聞かれます。しか し国が違えば考え方が違うし、なかなか一概に正しいと思われる考 えを導入するのは難しいです。ここドイツでも地下鉄の落書がそう 簡単に消えるとは思えない。それよりも日米欧の三極の一つの柱と 呼ばれるためには、日本から世界が羨ましがるようなものや情報を 提供できたらいいと思います。もっとも、最近日本から来てここで 流行っているのは「たまごっち」ですが。



otabe@cse.kyutech.ac.jp
Thu Oct 9 11:24:54 GMT+0900 1997