クリッピング先生と一緒に過ごすことが出来たことが今回の収穫の 一つでした。日本にいる際には何かと深い議論はしにくいものなの ですが、ここだと不思議と思っていることを自由に述べることがで きます。またいろいろなアドバイスをもらうことが出来ました。こ の話をみんなにしたら羨ましがられました。外国人であるという特 権みたいなものです。
そこで、クリッピング先生と話しているときに面白い言葉が飛び出 すことがあったので、それをメモしておきました。時には皮肉混じ りで時には核心を突いていると思われるものもあります。私なりに 解釈しておりますが、本当の意味を知りたいときには直接本人に尋 ねるのが一番かと思います。
「すべての人を納得させることはできない。」だから無駄な説得は しない。
「上着はあげなくていい。子供たちは春の風が冷たいことを知るべ きだ。」教えるよりも気づかせる方が好きなようです。
「自殺する方法なんていくらでもある。」これは高水圧を利用し て洗車が出来る装置を見て、私が危険ですね、と言ったのに対して。
「私はそれを考えている。」私がある答えに驚いてどうしてそんな に早く核心にたどり着けるのですかと聞いたのに対して。これに対 抗できるのは日本語の曖昧さでは物理を考えるのは難しいだろうと 言われて「私はそれを感じとるようにしている。」と入江先生が答 えたというのがあります。
「女性というのは危険なときがある。」
「われわれのプロジェクトはいつも高いレベルにある必要がある。」
「台所はきれいでなければならない。」夕食の後始末は、先生と私 の仕事です。いつもこの言葉を繰り返しております。
「私は子供たちが好きなようにさせている。それは若い同僚に対し ても同じだ。」
「私の手は脳と直結している。」技術者としてのコメント。
「重要なものなんて何もない。」孫のフェリックスが大切な薔薇を 切ったのに対して。
「頭を空にしておくから、新しい印象を受けとめることができる。」 先生は新聞やテレビのニュースはあまりあてにしていませんし、あ まり見ていません。それは自分で考える方がより簡単に結論に達す るからだそうです。あまりたくさんの情報や意見を集めてもしょう がないとのこと。
「完全に理解できるまで仕事にとりかかってはならない。」試行錯 誤よりもよく考えることが大切だおっしゃっておりました。
「年寄りが役に立たないと言うことはない。」いいアイデアを出し た後に。
「落ちついてやることだ。焦ってはいけない。」
「意識下でアイデアが生まれてくる。」あまり真剣に物事を考え込 んだりしないそうです。むしろ意識下に落としておいて自然に解決 方法がでてくるのを待つのだそうです。だからメモ紙とペンは手放 せません。
「望んでいない人に助言を与えたりはしない。」
「私の言っているすべてを信用してはいけない。」御意。