ベルリンはお祭りが好きだということを以前書きましたが、その最 たるものがラブパレードです。Zittyという情報誌にはその表紙か ら紹介されていました。私はまわりから絶対に行ってみるべきだと いう強い勧めもあって当日見に行くことにしました。
ラブパレードは3年前の滞在の時には全然気づかなかったので大し た規模ではなかったはずです。たぶん多くて参加者は一万人程度だっ たのだろうと思います。ところが、今年は百万人が集まったといわ れています。いちおう建て前としては ``Love peace happiness'' とかいうスローガンをたてて政治的なパレードとなっていますが、 実際にはここのところ流行っているテクノが好きな若者が集まって 騒ぐというものです。ドイツでのテクノをレポートしてくれといわ れているのですが、私にはちょっと難しいです。まわりに聞いても みな年をとっているせいかテクノファンはいません。
とにかく三百万人という人口のベルリンに百万人が集まるのだから 数日前から大変な騒ぎです。クリストフのアパートにはまわりの街 から5人も2日前から入り込んで泊まり込んでいたということです。 どの列車も若者で溢れかえります。さて当日の7/12はよく晴れて、 しかしヨーロッパらしい乾燥した気候で気持ちのいい日になりまし た。場所は17 Juni str.(6月17日通り)で私は2時の公式開始時間の 一時間前から入り込みました。そのころからだいたい人は多かった のですが、まだ思う方向に歩くことはできました。髪を染め、ピア スを大量につけた若者達がどんどん集まってきます。ここでのグッ ツというとホイッスル、水鉄砲、奇妙な帽子などがあります。
さて2時になっても何も始まらないので私は少々早めに引き上げた 方がいいだろうと判断して一方の端に向かいました。このまま人が 増えたら動けなくなると思ったからです。ところがどんどん人が増 えていってとても逃げるのは大変になってきました。こういうとこ ろで人が倒れたりしたら危険だろうなぁと思いながら、満員電車の ような人混みを抜けて逃げ出しました。家に帰ってテレビで見まし たら、あの混み方は私のいたところだけでなく、通りの全てに渡っ ていたのでした。一応パレード用の車があの中を通っているのです が、混み方からいって見た人は少ないでしょう。
戦勝記念塔のところで主催者のDr. Motteがちょっとした演説をし て、だいたいはテクノのDJをしておおいに盛り上がっていたようで す。私にはどういう目的で百万の人たちが集まるのだろうというの が興味の中心だったのですが、ただ集まるのが楽しいからとしか言 えないでしょう。翌日は文字どおりごみの山と化した公園や通りを 掃除するのに市当局は大変だったようです。来年はいったいどうい うことになるのか私には検討もつきません。