どのくらいドイツ人は働いているの?という質問をいただきました。
日本にいるとき私は朝の9時頃に大学に着き、8時頃に帰っておりま した。昼休みの一時間を引くと10時間勤務ということになります。 ここでは朝は同じですが、夕方は7時頃に帰りますので一時間短く なっております。しかしみんなは10--11時頃に来て、5--6時には帰っ てしまいます。私よりも2--3時間は短いことになります。クリッピ ング先生が現役の頃は9時間から始まって6時間くらいまで減らした そうです。
だからといって楽になっているわけではありません。時間が短いか らこそ集中してやっているように思います。特に勉強に対する意識 が高いです。極端に言えば日本の大学生は勉強には目的を持てない 状況だと思います。大学は就職前のお休みみたいになっております。 ドイツでは社会に出てどんな風に貢献できるのか、何ができるのか というのが厳しく問われているせいか、大学での勉強が重要になっ ています。最近の就職状況の悪化でますますその傾向が強まってい るように感じます。またさぼっていればいつまで経っても卒業でき ません。逆にがんばれば短い時間で卒業できます。これらは日本で も同じでしょうが、レベルがかなり違います。日本ではかなりさぼ らないと放校にならないでしょう。またかなりがんばらないと飛び 級になりません。しかしここではさぼっているといつまでも卒業で きません。
いわゆるブルーカラーの方々は週35時間勤務を実施していて、今後 はますます一人当たりの勤務時間は減っていくものと思われます。 こういう傾向はヨーロッパ全体にあります。つまり限られた仕事を いかに雇用者に均等に分けるかが問題になってきています。そのた め給与無しの休暇をとりたいと申し出れば会社は喜んで休ませてく れるそうです。
ビジネスマンはどうなのかというとIngo(インゴ、クリッピング先 生の義理の息子さん)に聞くとほとんど日本と同じ状況な気もしま す。彼は化学会社に勤めていますが、日に平均10時間働き、過去に は1.5年の単身赴任があり、2カ月近くをアメリカ出張で過ごすこと もある。しかしこれは一部でしょう。
さてこうなると仕事の時間が極端に減りますから、余った時間でいっ たい何をしているのかというのが気になります。これについては次 回にします。