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研究室紹介

町並みの紹介とか、車はどうなのかとか、やはり食事はとかいう requestがあるのですが、ここは意地で学問の紹介を一回はさみま す。

現在、ここ実験物理学科のLüders先生の所に お世話になっております。ベルリン自由大学は修士過程から上の学 生さんが勉強しております。修士過程の最後にはDiploma(修了証書) を取らないといけなくて、試験があります。したがって、勉強には 熱心です。また博士過程も当然、論文をたくさん書いて博士論文を 仕上げないといけないので大変です。学生さんたちは週に何回か実 験の指導というのを他の学科に行っておこないます。他にも雑用が かなりあるようで忙しくやってます。

朝は9--10am位にきて、帰るのは7--10pmといったところでしょうか。 日によっても違います。私は9amにきて、帰るのは7--9pmです。夏時 間ですので、今は夜の10時位まで明るく、感覚がずれますが、非常 に便利です。朝はたぶん5時くらいから明るいんじゃないでしょう か。

先生を長として、博士過程の学生を5人抱えております。その下に 修士過程の学生が4名います。そして私が来ました。博士過程の学 生さんは半分は給料をもらっているような感じです。ここは女性が 多くて博士に2名、修士に1名おります。Ms. Krausはお母さんであ り、妻であり、研究者であります。息子さんは9ヵ月ですが、ここ は保育園が整備されておらず、旦那さんと交互に育児と研究を分担 しております。Ms. Herrmannは米国で2年過ごして修士過程を終え たそうで、英語がばりばりです。Michael Bernitzはフランクフル トの大学にいたそうですが、縁あってここに博士過程できておりま す。

大体は修士と博士がペアを組んで実験を行いますが、それぞれしっ かりとした技術を持っているので修士一人でもがんがん実験をこな しています。

部屋は教授室、学生の居室に小さいのも含めて3つ、実験室が中く らいのが2つと非常に大きいのが1つ。設備は大規模ではないが、中 規模のしっかりした実験ができます。温度1--200K、磁界0--14Tのマ グネットを中心にいくつかの超伝導、常伝導マグネットがあります。 (九工大の松下研の場合4--100K、0--6Tの超マグが1つ)

さて計算機環境ですが、ここではDECが伝統的に使われているよう です。WSを分散した形式で他とあまり変わりありません。いくつか のX-terminalを置いた部屋がありますが、私は居室のPCをX端末に してそこから使っております。日本語環境はkterm + mule + canna で実現しました。このPCのキーボードはドイツ語仕様になっていて ちょっと変わってます。まずzとyが入れ替わっております。これは きいたことがありました。しかし、他のcharacterも軒並変わって いて例えば`/'がshift+7の位置にあり、pathを指定するのに不便だっ たりします。こりゃたまらないということで、ASCII型に変更しま した。

数値計算をする必要があったのですが、Mathematica、FORTRAN Library(NAGという)があり問題無く移行する事ができました。ここ 数日研究室のnetworkが交換時期で使えず、X-terminalの部屋で作 業をしておりましたが、全然知らない学生さんが時おり質問してき ます。こちらがドイツ語がダメなのですぐ英語にしてもらいます。 emacs, X, FORTRAN, Mathematica等を聞かれましたが、九工大の時 よりも質問の頻度は高いような気がしました。

ここもPCをLinuxを載せてUNIX化する動きが盛んらしくて、ここ数ヵ 月でいくつも立ち上がっているようです。それに日本語環境を入れ てもらえば良かったんですが、なんかdisk troubleだそうで、結局 WSの方でなんとかなってしまいました。

具体的な仕事が始まったらまたレポートします。



otabe@cse.kyutech.ac.jp
Wed Nov 22 17:59:28 JST 1995