太陰暦では月齢と日がおおよそ一致します。ですから15日の晩は月 齢は15くらいで、十五夜の月が見れます。同じように3日の晩は三 日月です。また30日は晦日(みそか)といいますが、「みそ」という のは三十路(みそじ)でわかるように30ということです。年のおしま いは大晦日となります。この日は新月近辺ですから、月の無い暗い 晩です。
1日は月が太り始める日です。復活の日なのです。本来正月は月が 満ち始める日だったわけで、現在でも中国は旧暦の1月1日に正月 を行っています。なぜお盆が13から15日にあるかといえば、その辺 は晩に月がでて明るいからです。最後の夜15日には盆踊りがありま すが、その日は十五夜で満月のもと行われたということです。
さてこうなると時代劇で、「あの晩はあの月の形だったから、23日 の晩のことだったんじゃないですか?」とかいうことがいえるわけ です。明治になって太陽暦が導入された時には晦日に月がでている という川柳が読まれて、それはそれは当時の人達にとって異様なも のだった様です。