例えば、 4300/35を計算したいとすると、このような単純な 計算でも今では電卓を探す人の方が多く、紙と鉛筆で計算を始めよ うとする人はほとんどいないであろう。しかし微分、積分を含むよ うな計算をしたいとすると、今度は紙と鉛筆で計算を始めるであろ う。 Mathematica は計算機上で微分積分を解析的に解くことがで きるアプリケーションである。今後、このようなアプリケーション を用いて解析的な計算を進めていく助けに利用することが当然のよ うになっていくことと思われる。本実験では Mathematica の基本 的な使い方を習得することが目的である。
Mathematica のような数値処理システムには他にも Reduce や Mapple などがあるが、 Mathematica はその中でもはやくから普及しており、 パソコンからワークステーションまで広くの計算機で稼働して、 最も使われているといっていい。 Mathematica では主に3つの基本的 な計算を行う。数値計算、記号計算、そしてグラフィックスである。
特にNeXT、Macintosh上での Mathematica は図1に あるようなノートブック形式を使うことができるので、非常に美しく使い やすい。アニメーションを利用することもできる。
Mathematica はインタープリタ言語であるために、C, Fortran, Pascalなどのコンパイラ言語よりも使いやすいが、しかし 半面速度は遅く、純粋な数値計算などには向いていない。 だが、最近の計算機の発展の仕方は速いので、むしろ使いやすいと いう利点の方がよく、速度はいずれ解決されるものと考えてよい。
実際には Mathematica を用いてあらかじめ数式処理を進め、問題 が解決したところで、速度を要求するのであれば、他の言語で数値 計算をする場合が多い。