超伝導の研究には液体ヘリウムは欠かせませんが、ここ自由大学の ヘリウム液化装置はBerlin市内の供給基地になっていて、安く大量 に使う事ができます。なんでも大学価格で1lあたり7DMだそうです。 九工大ではその3-4倍はするでしょう。手配も簡単なもので、直接 行ってノートに空いている日(2--3日後)の欄に必要な量を書いて来 ればもらえます。
電子部品類は地下鉄で1時間程のところに嘉穂無線を大きくしたよ うなパーツ屋さんがあります。電話帳みたいなカタログがあって、 抵抗1本に至るまで番号が振ってありますので、それを用紙に記入 すれば、係の人がそろえてくれます。20DMまではレシートで、 100DMを越える時には大学の用紙に記入してもらえば、後でお金は 戻ってきます。
コンピュータ類は専門の業者に頼みますが、新しく386DX40MHz, 4MRAM, 200M Hard Disk+14inchのSVGA対応のdisplayを2000DMで購 入しました。これにGPIBのカードをつけて実験機器を操作します。 これらは1週間足らずで来ました。さて個人的な興味からこの machineのhard diskの80Mを分けてもらってLinuxをinstallしてみ ました。やはり4MのRAMではX-windowはきついということと、linux のinstallは非常に簡単だということがわかりました。閑話休題。
物理学科専用の図書館があり、超伝導関係の重要な雑誌は全部購入 されているので、九工大よりは便利がいいです。大学の創立は第二 次大戦後ですが、古い雑誌もきちんと保存されていて便利です。た だ、物理関係しかおいておらず情報関連はまったくありませんので、 この点では不自由しております。
ここまでの話はいい話ですが、時間がかかるという話にします。サ ンプルホルダーを自作しないといけないのですが、ここには専門の staffがおり頼む事になります。しかしどこでもそうでしょうが、 他の人に頼むと非常に時間がかかります。自分で旋盤を回して作っ てしまえば半日とかからない仕事が、催促する事2回、3.5週間もか かってしまいました。
研究活動のキーパーソンが休暇にはいってしまうと、結構労力が必 要です。Michaelを頭とする私達交流帯磁率測定班は、Matthiasと Henningが休暇に入ったために1-2週間程、実験がまともにできませ んでした。実験は続けてやっているからこそ感覚がとぎすまされて、 何が障害になっているかすぐ分かるというものですが、残念ながら 私達には時間が必要でした。こういう分けで、薄膜抵抗測定班の Biancaの様にグループ全体が(二人だけれど)一度に休暇に入る方が いいわけですね。