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はじめに

九州大学大型計算機センターでもLaTeX[1,2]が移植されて、 TeX を手軽に使うことができるようになった。 LaTeX は普通のTeX に比べ て比較的少ないコマンドで文書を整形することができる。 また、 配列や作表 の機能の汎用性も高く、 箇条書に自動的に数字を振る機能も持っている。 さ らに、 普通のTeX には無い相互参照の機能もあるので、 論文の記述に当たっ ては番号管理に煩わされずに済む。 しかし、 書式がデフォルトとして指定さ れており、細かい変更の仕方を解説した文献も無い。そのため、却ってデフォ ルトが無い透明な普通のTeX に戻ってしまうユーザも多い。

もともとLaTeX は使い易さを重視しており、 章建てや、 番号付けなどの書 式を定型的に出力することを目的にしている。 そしてこれらの書式の設定は 文章ファイルとは別のスタイルファイルと呼ばれるファイルに記述されている。 したがって、このスタイルファイルを変更することにより、 望みの投稿論文 書式(自分の書式)で印刷することが可能となる。

いくつもの論文書式に対応したスタイルファイルを用意しておけば、 文章ファ イルはほとんど同じであるが、書式の違った原稿を打ち出すこともできる。 この文章も広報用のスタイルファイルを制作して、日本語化されたLaTeX で あるJLaTeX で印刷した。

スタイルファイルはTeX やLaTeX のコマンドにより記述されているので、 変更もTeX や
LaTeX のコマンドを用いて行う。スタイルファイルの変更の仕方については LaTeX マニュアル[2]にも記述があるが、 あまり詳しくは書かれて いない。 また、 LaTeX の一般的な入門解説では全く無いと言ってよい。 本 解説では、 LaTeX のスタイルファイル構造について少し触れながら、 具体 的にどのように変更すれば良いかを述べる。

この解説の利用はLaTeX の全くの初心者には難しいかも知れないが、 LaTeX を使っている人にはすぐにでも利用できると思う。 LaTeX を使い こなしている方は、初心者が使い易いように投稿論文のスタイルファイルを 作成するなどの環境整備を行って頂きたい。 本解説がそのための参考になれば 幸いである。 あまり妥当でないところも多くあろうし、 工夫の必要な所もあ るので、 適宜改良されたい。



otabe@cse.kyutech.ac.jp
Fri Dec 1 20:53:03 JST 1995