背景 |
その後、もう一冊プレゼンテーションに関わる本を出しました。 「プレゼンテーションTIPS集」です。これは数式は無く、ほとんど問題なく出版することができました。
ここ1年ほど、電磁気を教えているときの副読本として「ベクトル解析」の教科書を書くことを思いついて、改めて理系書籍の電子出版の過程を踏むことになりました。その顛末を残しておきます。
結論から書くと、楽天Koboでは今のところ大きな問題はなく、スムースに出版することができました。ありがたいです。もちろんいろいろと不満はまだ残っていますけど。
この記事は2016年4月時点で書かれています。
準備 |
次にGoogle playにブックスパートナーセンターというのがあり、書籍を販売することができます。ところが、そのサイトで「ご利用開始」を押すと、「現在、新しい登録を処理できません。ご不便をおかけして申し訳ありません。しばらくお待ちください。」と言われてしまいます。メールで連絡すると、改装中のようです。ただ、去年の7月からずっと改装中なので、いつ再開するか分かりません。Google playはあきらめることにしました。
次に楽天Koboを見つけました。ここに同じように、「理系書籍は式や図が多くて、リフロー形式を作るのは困難なので、画像イメージをそのままにEPUBを作らせて欲しい」、と要望しました。その結果、「EPUB3であれば受け付けるはずです」という返事をいただきました。ちょっと曖昧ですが、楽天Koboで出版することにしました。
TeXからEPUB3への変換 |
しょうが無いので、まずPDFをjpegのイメージにします。たとえば PDF JPEG 変換 PDFファイルからイメージを抽出しますというサイトでは簡単に変換することができます。
必要があれば、これに対して、トリミングをして、余白を調整するのもいいでしょうか。たとえば、 irfanview を使えば一括で変換することができます。
このjpegイメージからEPUBを作ります。ここでちょっと試行錯誤をしていたのですが、とてもいいサイトを見つけました。 ロマンサー Romancerです。ここの無料会員になると50Mbyte(?)までの容量までEPUB3をWord, PDF, 画像から作ることができます。ええ?PDFから作れるのですか?
そうすると、PDFから余白を直接除くたとえば、 pdfslim を使ってPDFから余白を削除すればいいです。
ロマンサーはEPUB3を作るのに、十分な機能を備えています。タイトルなどの情報や表紙もできますが、目次についても手動で入れることができます。かなり便利と言えるでしょう。
なお、epub3のブラウジングには firefoxのEPUB Readerが便利です。結構使えます。
楽天Koboへ登録 |
あとは、電子書籍の登録をして出版をすればOKです。一番悩んだのは「出版社名」です。結局「出版社」にしました。
結局土日があったせいか48時間ほど、お知らせを待ちました。次の様なイメージのメールを受け取りました。
できた本は「初めて電磁気を習うときに読むベクトル解析 [電子書籍版] 」です。あまりにシンプルな表紙なので、ちょっと考えたいところです
まとめ |
しかし、最終的にはリフロー形式の理系書籍を出したいです。WordでもTeXでもいいので、きちんとEPUB3に変換できるようになれば、それがかないます。あと何年かかるのか注目していきたいと思います。