Bi-2223 銀シーステープ線材の E-J 特性の評価 (II) _ 超低電界領域 _


                                            E-J Characteristics in Bi-2223 Silver-Sheathed Tape Wire

                                            in the Range of Very Low Electric Field

                                              九工大・情報工   O 児玉 武士, 福田 光洋, 小田部 荘司, 松下 照男
                                              金材研   伊藤 喜久男
                                              Kyushu Institute of Technology;  T. Kodama, M. Fukuda, E. S. Otabe, T. Matsushita
                                              NRIM;  K. Itoh
                                              kodama@aquarius10.cse.kyutech.ac.jp

    高温超伝導体を用いた機器の特性は、その材料の電界 (E)- 電流密度 (J) 特性に左右さ
れるが、直流機器から交流機器まで広い範囲にわたる個々の応用に対しては、それぞれ対
応する電界の領域は大きく異なる。したがって、一般的には高温超伝導体の広い電界領域
にわたる E-J 特性の評価を行う必要があるが、まだ特性は十分に明らかにされておらず、
その電界発生の機構やそれに対するピンの分布の影響について詳細な知見が得られていな
い。本研究では、超伝導 Bi-2223 銀シーステープ線材について、 SQIUD を用いて磁化の
緩和を測定し、 10-10  V/m 程度の超低電界領域の E-J 特性を評価するとともに、ピン力
の分布を考慮した磁束クリープ・フローモデルによる理論結果と比較した。 Fig. 1 は 40 K
におけるさまざまな磁界における E-J 特性であり、実線は理論値である。実験値と理論値
でほぼ定量的に一致を示したが、磁束線のグラス - 液体転移モデルの手法でスケールさせた
ときのスケーリングパラメータ z;   には不一致が見られた。このことは簡単のために磁束
バンドルの大きさを表すパラメータの電界領域、温度、磁界に対する依存性を無視したた
めと考えられる。

Fig. 1: E-J characteristics at various magnetic fields at 40 K.